尋常性乾癬とは?
日本で乾癬患者さまの数は、1000人に4〜5人と推測されており、男女比は約2:1になります(2009〜2011年度日本乾癬学会調べ)。
20代、40〜50代前後で発症率が高いことが特徴です。
疥癬には5つの種類がありますが(尋常性乾癬、乾癬性関節炎、滴状乾癬、乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬)、このうち全体の70~80%を占めるのが尋常性乾癬で、突起した赤い発疹(赤斑)、皮膚の盛り上がり(浸潤・肥厚)、銀白色のうろこ状・フケ状のものが付いて剥がれる(鱗屑)などの症状が特徴的です。
頭皮、肘、膝、臀部、太腿などの部分で多くみられますが、これら以外の部分に症状が現れることもあります。
尋常性乾癬の原因は?
尋常性乾癬の原因ははっきりわかっていませんが、遺伝的要因、食生活、生活習慣などの環境要因、免疫機能の異常など、様々な原因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
また、ストレスも尋常性乾癬の原因になると考えられています。
ストレスにより、感染症にかかり、感染症が原因で乾癬が悪化するという方もおられます。
尋常性乾癬はうつるの?
乾癬が人にうつることはありません。ただし、症状のない部分でも、お風呂で強く擦ったり、衣服で擦れるなどの刺激による新しい症状が出ることがございます。
尋常性乾癬の症状
尋常性乾癬は、特に肘やひざ、腰回りなど、摩擦を受けやすい部位によくみられます。
頭皮や爪に症状が出ることもあり、かゆみを伴う場合があります。
そのほかに、関節の痛みや腫れ、変形などの関節症状が起こる場合もこともあります。
- 皮膚が赤くなる(赤斑)
- 皮膚が盛り上がる(浸潤・肥厚)
- 銀白色のうろこ状・フケ状のものが付いて剥がれる(鱗屑)
尋常性乾癬の治療
尋常性乾癬に対しては、ステロイド外用薬などを使用する薬物療法、患部に紫外線を照射することで症状の改善をはかる紫外線療法などのほか、生物学的製剤、内服薬を使用して治療する場合があります。
疥癬の状態に応じて適切な治療方法を選択いたします。
尋常性乾癬の治療に使用するお薬について
乾癬の治療は、塗り薬、飲み薬、注射、光線療法(PUVA療法・ナローバンドUVB療法)などで行います。
乾癬治療で使う主なお薬は、以下になります。
乾癬に使用するお薬について
塗り薬
ステロイド外用薬 | ・炎症を抑えるお薬になります ・長期にわたって使用していると、皮膚が薄くなったり、 毛細血管を保護する組織が脆弱となってしまったり、感染症を起こしやすくなることがあります |
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ビタミンD3外用薬 | ・皮膚の細胞(表皮ケラチノサイト)の過剰な増殖を正常化するお薬になります |
ステロイド外用薬とビタミンD3外用薬を合わせて使用することもあります。
また、飲み薬やその他治療法と組み合わせることがあります。
飲み薬
PDE4阻害剤 | ・免疫バランスの乱れを整え、炎症を抑えて乾癬の症状を改善するお薬です。 ・服用初期に吐き気、下痢、頭痛などが起こる場合があります。 ・妊娠中、妊娠している可能性のある方は服用できません |
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レチノイド製薬 | ・皮膚の細胞(表皮ケラチノサイト)の過剰な増殖を正常化するお薬になります |
免疫抑制剤 | ・過剰な免疫機能を抑えるお薬になります |
塗り薬やその他治療法と組み合わせることがあります。
尋常性乾癬の予防について
食生活
厳しい食事制限はございませんが、高カロリーの肉類や脂分は避けて野菜や痒みを抑える青魚などを食べるようにし、バランスの良い食事を心がけましょう。
香辛料や刺激物、アルコール飲料は乾癬の悪化につながるといわれていますので、出来るだけ控えるようにすることがおすすめです。
肌への刺激を抑える
乾癬はうつることはありませんが、傷や摩擦による皮膚への刺激は、尋常性乾癬を悪化させる大きな原因になります。
お風呂で患部を強く擦ったり、強く洗髪をしたり、襟や袖口が締まっているような皮膚に接触して刺激を与えやすい服装は控えましょう。
乾癬の症状がない部分でも、引っかく、傷つけることによって、新しく乾癬ができてしまうことがあります。
禁煙をする
タバコは乾癬の症状が悪化する原因といわれています。禁煙を心がけましょう。
感染症を予防する
風邪をはじめとする様々な感染症は乾癬を悪化する原因になることがあります。
こまめな手洗い、うがいを心がけましょう。